ルポ西成で、國友さんの文章や内容が非常に面白かったので、続けて2作目であるルポ路上生活を読むことにしました。
自分も漠然と今の仕事が続くかどうかわからないし、無一文になって外に放たれてしまった場合どうなるのか？そういうシュミュレーションも含めて購入して読んでみました。
このブログでは投資やお金に関する情報を発信しているので、よろしければほかの記事もご覧ください。
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筆者が２０２１年の夏から、東京都の都庁下、新宿駅、上野駅、上野公園、隅田川高架下、荒川河川敷とロケーションを変えて、２か月間路上生活をしていくという内容です。
我々がイメージしやすい空き缶拾いや、最近話題の転売目的のカードショップ巡りなどもあるのですが、メインは炊き出し巡りになっています。
大都市東京だけあって、炊き出しの頻度や種類も豊富であり、主に腹を満たしやすい丼ものがメインなのですが、ホームレス側が取捨選択できるほどの量が揃っており、作中でも１日７食の炊き出しツアーが行われております。
頻繁に炊き出しを行っている韓国系キリスト教会は、恵まれない人々に食べ物やお金を恵むことを本国の資産家に報告することで、資金を提供してもらっているらしいですね。
それで結果的に、ホームレスや生活保護者を満たせるのならいいのではないかと。
私の住む京都でも炊き出しを検索していましたが、一部教会が行っておりますが、東京ほど毎日の腹を満たすことは、難しそうです。
ホームレスになって、炊き出し生活をするためには東京に行かないと無理そうですね。
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社会的意義がある点として、年越し派遣村が話題となった２００８年以降、積極的に生活保護の受給が促されたり、ネガティブですが貧困ビジネスなどで、結果的に生活保護受給者が増えました。
そのため、２０２０年以降でホームレスになっている人は、ならざるを得なくてなった人もいますが、率先してやっているという人もそれなりにいるのです。
そのからくりとして、国民年金のみの場合は月７万ほどの支給にとどまり、東京で賃貸して住むにはほぼ無理となります。結果的に月１２～１３万になるように補填として生活保護をもらいますが、賃貸料を払ってしまうと手元に残るのは５～７万ほど。
食べるだけなら問題ないものの、娯楽などはできず、ただ東京で生きるだけという状態になります。
一方で、年金だけもらって路上生活した場合は、７万円を丸ごと使用できます。前述した炊き出しを活用すれば、自由に使えるお金が増えます。
実際は、生活保護者も不正受給ですが、すぐにギャンブルで溶かして、残りは炊き出しで食いつなぐという人が本書で描かれています。
生活保護者が、バイトや飯場で収入を得た場合、ケースワーカーなどに収入を報告する義務があるのですが（実際はすべての受給者の状況を調査できるわけではないので、不正の温床となっています）ホームレスにその義務はもちろんありません。
もちろん、定職のある人もホームレスも価値観の違いがあって、少ない給料でも充実した人生を送れるものもいれば、ただ生きているだけで廃人のような生活を送っているものもいます。
人生というのは、どれだけ豊かであるかということよりも、どれだけ豊かに考えられるかというほうが重要であると痛感させられます。
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２０２３年時点の増税や物価高ラッシュを考えると、生活保護が少し上がった程度では対応は難しいでしょう。
東京だと炊き出しや支援の種類がかなり豊富な一方、生活保護だけで生きるというのはあらゆる欲を断ち切らないと大変そうです。
一方で、他府県になれば炊き出しだけで生きるのは難しいですが、賃料は安くなり、生活保護受給額の自由額は上がります。
生活保護の不正受給者の話があがりましたが、生活保護の根本の目的は、最低限の文化的な生活のみならず、犯罪の抑止というのもあります。
お金がなく、食べることもできず窃盗などを繰り返されるぐらいならば、自分で働ける人はそれで１か月しのいでくれということなのかもしれません。（もちろん不正受給をやっていいということはではありませんが)
